プロジェクトは一人ではなく、必ずチームで取り組むものです。
当たり前ですが二人以上の人間が集まった場合はコミュニケーションが必須です。
しかし、コミュニケーションをとればチームとして成果を出せるかと言うとそうではありません。
チームとして最大限の成果をだすためのコミュニケーション術があります。
本記事の執筆者
リーダーはチームを率いてプロジェクトを成功させることが目的です。
そのためにはリーダーだけが頑張っても成果にはつながりません。
チームとして成果を出すためのルールや環境を用意してあげることが重要です。
そこで当記事ではリーダーとしてチームワークを最大に高めるコミュニケーション術を5つ解説します。
リーダを任される人とは?
リーダーを任されるのはどのような人でしょうか。
目的を達成するために目標を立てることが出来る能力が必要です。そのうえでチームの先頭を走るための行動力が必要ですね。また、部下を信頼する力も必要です。
そして何よりチームのメンバーをまとめ上げるためのコミュニケーション能力が求められます。
部下に信頼されることも、上司に評価される場合も課題を解決するためにもコミュニケーションが必要です。
ここでいうコミュニケーションとは「会話」だけではありません。
ルールを作って不要な議論を削減したり、自分の意見を通したり、予算を確保するために上司やクライアントから「YES」を引き出すことが出来る能力です。
そこで、リーダーとしてチームをまとめつつ、チームとして障壁を取り除きつつ行動できるようになるための方法を5つ解説します。
- 無駄のない会議
- 失敗談を話して親近感を出す
- 意見を通すための根回し
- 決裁者へのアプローチ
- あえて喋らない
無駄のない会議
チームとして活動すると担当決めや進捗確認、課題確認など様々な「会議」を開催することになります。
この会議を短い時間で効果的なものにするために、プロジェクト立ち上げ時に会議のルールを設定するようにしましょう。
具体的には下記の3つのルールが効果的です。
- 会議の目的を事前に連絡する
- 議題や方針をあらかじめ伝えておく
- 会議は30分で必ず終わるようにする
ルール設定の効果
会議室に入って初めて議題を把握し、その場で質疑を通して方針を決めていくやり方をしていると何時間あっても足りません。
また、会議主催者が一方的に話して出席者はその内容を聴くだけで質問が無い場合も、それは会議ではなく業務連絡でありメール&周知で十分です。
生産的な話し合いをするために、あらかじめ何を決めるための会議かを周知し、どのような課題があり、どのような対応案があるのかを連絡するようにしてください。
さらに、会議時間を30分と短く設定することで参加者はあらかじめ意見をまとめておくようになり、会議の場では認識合わせと意思決定に徹することが出来るようになります。
そうすることで、非生産的な会議がなくなりチームとしての立ち回りが軽快になります。
失敗談を話して親近感を出す
常にテキパキと仕事をこなすリーダーはカッコイイものです。
しかし、完璧であればあるほど近づきがたく、そのリーダーの前では失敗は許されないという緊張感が漂うことになります。
リーダーとして背中を見せることは大事ですが、たまには失敗談を話しリーダーは遠い存在ではなく身近な存在なんだということを教えてあげるようにしてください。
自分と同じような失敗をする人が努力を重ねて今の地位を築いたのだと気づかさせてあげることで、尊敬に繋がります。
意見を通すための根回し
リーダーという立場になると、時には自分や上司の意見をチームメンバーに強引に実施してもらわないといけない場面が出てきます。
会議の場で唐突に無理な方針を提案しても満場一致で賛成とはならないでしょう。
このような場合には事前に「根回し」をしておき、会議は全員の認識合わせの場として利用する方法が有効です。
直線距離が最短距離ではありません。根回しという迂回をした方が結果として最短で物事を前に進められることもあります。
根回しのポイント
根回しを行う際のポイントを2つ紹介します。
1つ目は「有効な布陣を増やす」です。
根回しを行う際は自分の味方になってくれそうな人から優先的にアプローチします。上司は真っ先に味方につけましょう。
次に現時点で中立的な立場の人を味方に引き入れるようにしてください。
反対派に対しては深追いせず時には思い切って味方への引き入れはあきらめるようにしてください。深追いしてしまうとかえって反発が強まる危険性があります。
2つ目は「アプローチの方法」です。
アプローチの方法としては次の3点があります。
- メリットを十分に説明する
- 具体的に書面で説明する
- 質問や反対意見には予め回答を用意しておく
このような手段を用いて味方を増やしましょう。
決裁者へのアプローチ
提案活動や大きな意思決定については決裁者(=キーパーソン)の承諾が必要です。
そのためにはキーパーソンにターゲットを絞りアプローチを進めていかなければなりません。
しかし、キーパーソンは総じて多忙でありその人の時間を確保することは難しい場合もあります。
そのような場合にはキーパーソンに影響を与える人にアプローチするようにしましょう。
そうすることで、最終的には決裁者の耳にあなたの声が届くようになります。
キーパーソンにはブレインがいる
何事もキーパーソンが1人で決定しているわけではありません。
キーパーソンには右腕となる優秀なブレインがいます。
そのブレインを味方につけることが出来ればキーパーソンに「YES」と言ってもらえる可能性は格段に高まります。
実体験
私が提案活動を行っていた際の実体験を紹介します。
RFP(提案依頼書)を受け取り、しっかりとシステムの分析を行い汗水流して提案書を書き上げました。
依頼元のリーダと念入りな打ち合わせを行い、最終的にはおそらく御社に発注することになるという情報を流してもらい安心していたところ、驚きの結果が入ってきました。
別の会社に依頼することが決まってしまったのです。
営業経由で理由を確認したところ、リーダーの右腕となる人物の存在があり、その人物は別の会社とよくやり取りしていました。
最終的にリーダーは右腕である人物の意見を尊重し、別の会社に発注を決めたそうです。
このように、どんなに頑張ったとしても押さえておくべき人物を間違ってしまうと成果が伴わない結果になってしまいます。
しっかりと誰がプロジェクトに関わっており、誰を押さえておくべきか見極めて、その重要人物との関与度を上げておく必要があります。
あえて喋らない
「沈黙は金、雄弁は銀」という言葉があるように、リーダーは喋りすぎてはいけません。
特に相手が感情的になっている場合は応戦せずに冷静に相手の話を聞くことに徹しましょう。
話しを黙って聞くことで緊迫感が生まれます。
話しを聞き終わったら確信をつく質問を投げかけてください。そして質問に対する相手の答えをじっくりと聞きます。
そしてまた質問を投げかけてください。それを繰り返します。
そうすると相手も反論の準備をしてきているわけではないため徐々に熱が冷めていきます。そこまでくれば後はあなたの話に熱心に耳を傾けてくれるようになります。
繰り返します。リーダーは喋りすぎてはいけません。
まとめ
リーダーとしてチームの力を最大限まで高めるコミュニケーション方法を5つ解説しました。
- 無駄のない会議
- 失敗談を話して親近感を出す
- 意見を通すための根回し
- 決裁者へのアプローチ
- あえて喋らない
今回説明した内容は「最高のリーダーは、チームの仕事をシンプルにする(阿比留眞二 著)」を参考としています。
当書には他にもたくさんのリーダーとしての立ち振る舞いが記されています。
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では、今回はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。