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【PMBOK】プロジェクト統合マネジメントをわかりやすく解説

PMBOKの勉強を始めて最初に躓くポイントとしては「プロジェクト統合マネジメント」があります。理由は抽象的過ぎるからです。

そこで当記事では「プロジェクト統合マネジメント」についてわかりやすく解説します。

本記事の執筆者
nob
nob
500万~30億円規模まで様々な案件のプロジェクトマネージャ/リーダを務めています。

PMBOKの勉強を進めていくと「10の知識エリア」が登場します。この「10の知識エリア」のうち最も抽象的なのが「プロジェクト統合マネジメント」になります。

スコープ管理やスケジュール管理などは管理対象が明確なため言葉だけでもどんなことを実施すれば良いか想像がつきますが、「プロジェクト統合マネジメント」だけは実際に何を管理して何をすればいのかが想像しづらいです。

そこで今回はPMBOK「10の知識エリア」の1つである「プロジェクト統合マネジメント」について解説します。

「プロジェクト統合マネジメント」が何をすべき領域なのかがわかるようになりますので、ぜひ最後までお付き合いください。

プロジェクト統合マネジメントとは

はじめに

PMBOK Guideは大きく「フェーズ」「5つのプロセス群」「10の知識エリア」で構成されています。

「プロジェクト統合マネジメント」とは「10の知識エリア」の1つであり、他9の知識エリアを統括する領域です。

若手管理職にこそPMBOK!10の知識エリアを押さえてベテランの仲間入り初めてPMBOK(ピンボック)という言葉を聞いた方や、勉強してみたけど難しくてよくわからないという方に向けて、PMBOKの全体像をイメージしやすいようにわかりやすく解説しています。...

プロジェクト統合マネジメント

スケジュール管理の対象はWBS、リスク管理の対象はリスクそのものというようにプロジェクト統合マネジメント以外の知識エリアはその管理対象が直感的に理解できます。

ではプロジェクト統合マネジメントの管理対象とは何なのでしょうか。

答えはプロジェクト統合マネジメントの管理対象は「他の9つの知識エリア」です。

プロジェクト統合マネジメントは他の9つの知識エリアを総合的に管理し、立ち上げから終結までのプロセス群において各種バランスを調整しつつ取りまとめていくことを指します。

スコープが増えると、スケジュールやコストを圧迫しますよね。スコープを増やしたいのであれば、スケジュールを詰めたり、コストを増やしたり全体のバランスを考慮して調整する必要があります。これがプロジェクト統合マネジメントです。

  • 人間でいうと脳
  • サッカーでいうと司令塔
  • 音楽でいうと指揮者

のような役割ですね。

プロジェクト統合マネジメントのプロセス

「プロジェクト統合マネジメント」と「5つのプロセス群」との関係性について解説します。

5つのプロセス群との対応

プロジェクト統合マネジメントは「10の知識エリア」の中で唯一「5つのプロセス群」全てに関わりがあります。

プロジェクト統合マネジメントと各種プロセス群に含まれるプロセスの関係は下表の通りです。

プロセス群 プロセス
立ち上げプロセス群 ①プロジェクト憲章の作成プロセス
計画プロセス群 ②プロジェクトマネジメント計画書の作成プロセス
実行プロセス群 ③プロジェクト作業の指揮・マネジメントプロセス
④プロジェクト知識のマネジメントプロセス
監視コントロールプロセス群 ⑤プロジェクト作業の監視・コントロールプロセス
⑥統合変更管理プロセス
終結プロセス群 ⑦プロジェクトやフェーズの終結プロセス

7つのプロセス

各種プロセスの役割について説明します。

①プロジェクト憲章の作成プロセス

ゴールおよびスコープやスケジュール、収益性などを定義するプロジェクト憲章(=企画書)を作成します。

プロジェクト憲章はプロジェクトを立ち上げるための必須資料となります。

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②プロジェクトマネジメント計画書の作成プロセス

プロジェクト憲章や追加ヒアリングをインプットとして、プロジェクトをどのようにゴールに導くかを定義する計画書を作成します。

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③プロジェクト作業の指揮・マネジメントプロセス

プロジェクトの計画書にもとづいて成果物を作成する。

作業の過程において発生する課題についても当該プロセス内で対処する。

④プロジェクト知識のマネジメントプロセス

言葉では伝わりづらい内容や、途中からプロジェクトに参画してくるメンバーのために作業内容などを文書化してプロジェクトの資産とする。

⑤プロジェクト作業の監視・コントロールプロセス

計画書で定義した値と実際の進捗との差異を監視し、乖離が見られたら適宜対処法を検討する。

また、ステークホルダーのためにプロジェクトの状況報告書を作成する。

⑥統合変更管理プロセス

計画の変更や顧客からの仕様変更に対して、審議および却下/承認の判断をくだす。

承認した変更は適宜計画に取り込み、ステークホルダーに説明する。

⑦プロジェクトやフェーズの終結プロセス

成果物を納品し、プロジェクトの結果報告書を作成する。

報告書を作成する目的としては、主に2つあります。

  1. プロジェクトの後片付けをする人への引継ぎ
  2. プロジェクトで得た教訓を次のプロジェクトに活かす

まとめ

今回は、「10の知識エリア」の一つであるプロジェクト統合マネジメントについて解説しました。

おさらい

◆プロジェクト統合マネジメントとは「10の知識エリア」の1つであり、他の9つの知識エリアのバランスを考慮して総合的に管理する領域である。

◆「10の知識エリア」の中で唯一「5つのプロセス群」全てを対象としている。

◆プロジェクト統合マネジメントに関するプロセスは7つある。

nob
nob
プロジェクト統合マネジメントとは他の9つの知識エリアをバランスを考慮して取りまとめていく領域ということがわかりました。実際に業務を行う上では最重要となる考え方ですのでしっかりと理解しましょう。

では、今回はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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