「伝わる資料」とはどのような資料でしょうか。
さっそくですがPMBOK(ピンボック)を説明する次の2つの文章【説明文A】と【説明文B】を比較してみてください。
【説明文A】
PMBOKについて
PMBOKとはProject Management Body Of Knowledgeの略称であり、日本語では「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」と呼ばれています。PMBOKは PMI(Project Management Institute)と呼ばれる組織により運営されています。また、PMBOKの知識を保有していることを示すPMPという資格がありPMIが認定しています。
PMBOKは全世界で支持されており、多くの人がPMPを取得しています。PMPを取得すればマネジメントの知識があるということを世界的に証明できます。
よって、プロジェクトマネージャーやリーダーであればPMBOKを勉強した方が良いでしょう。
【説明文B】
PMBOKを勉強して、世界で活躍できるスキルを手に入れよう
PMBOK(ピンボック)とはマネジメントに関する一般知識を体系化した世界共通の教科書です。プロジェクトマネージャーやリーダーであれば身に着けておきたい知識です。
IT業界に限らず、建設業界や広告業界など様々な業界で通用する知識であり、多くのビジネスマンがPMBOKを勉強しています。
アメリカ発祥のPMBOKは2022年現在全世界196カ国で支持されています。PMBOKの知識が備わっていることを証明するPMPという資格は世界で110万人以上もの人が取得しています。
そのため、PMBOKを勉強することでグローバル化が進む世の中で生き残るための最強スキルが手に入ります。
いかがでしたか?
【説明文B】の方がPMBOKとは何かが想像できて、興味が湧きませんでしたか。
説明文Bでは次の5つポイントを意識して記載しています。
- タイトルをつける
- PREP法で記載する
- 段落を分けて見やすくする
- 太字や色を変えて強調する
- 数値で示す
PREP法以外は特別な技術は何も使っていません。
このように、当記事では簡単に伝わる資料(文章)を書けるようになる方法を解説します。
伝わる資料とは
資料を作成する目的は何でしょうか。
「商品のおすすめポイントを紹介する」、「今年の目標を共有する」、「問題が発生した際の報告」など資料を作成するシチュエーションは様々ですが、共通して言えるのは「事象を伝える」ために資料を作成するということです。
「自社商品をまだ知らない人に向けて」、「部下や上司に向けて」、「クライアントに向けて」など対象者は様々ですが資料の先には必ず相手がいます。
そのため、伝わる資料を作成するためには予め次のことを明確にしてください。
- 誰に何を伝える資料であるかが明確であること
- 読み手に理解してもらいたい内容が明確であること
- 資料を読んだ後に読み手にどうなって欲しいか、どう感じて欲しいかが明確であること
伝わる資料を作成するための準備
伝わる資料を作成するためには「誰に何を伝えるか」「相手に何を理解して欲しいのか」「伝えた後相手にどうして欲しいのか」を明確にすることが重要だと紹介しました。
準備①:誰に何を伝えるか
資料作成の前準備として、資料を「誰」に対して「何」を伝えたいのかを明確にしてください。
商品のおすすめポイントを紹介するための資料を作成する場合、「誰」とは卸業者の役員向けなのか、小売り店の店主なのか、それとも社内の決裁者向けなのかを明確にしてください。
また、「何」についておすすめのポイントとは使いやすさなのか、価格なのか、アフターフォローなのかを特定してください。
これらが特定できていないと、小売り店の店主に専門用語を多用してしまったり、資料作成中に論理的につながらない文章を書いてしまう原因となります。
準備②:相手に何を理解して欲しいのか
資料を読んだ相手に何を理解してほしいのかを整理しておきましょう。
小売り店の店主に向けておすすめ商品のセールスポイントを伝えたいのか、社内の決裁者に対して類似商品の開発を打診したいのでこれまでの利益や効果を説明するのかを明確にしましょう。
理解して欲しい内容が定まることで集めるべき情報も変わってきます。
準備③:伝えた後相手にどうして欲しいのか
説明だけして、その結果どうして欲しいのかが不明確な資料を見かけることがあります。
準備①で説明した通り、資料は誰かに何かをして欲しいから作成するのです。伝えるからには相手に何かを望んでいるはずです。
商品を購入してほしいのか、新商品を開発するためのコストをつけて欲しいのかをはっきりとさせ、資料の中でもそのことをちゃんと伝えるようにしましょう。
伝えるために意識すること
資料を作成するための準備が完了したら、いよいよ資料の作成です。
せっかく資料を誰に何を伝えて、どうなって欲しいのかを明確にしてもそれが伝わり辛い資料を作成してしまっては意味がありません。
それでは、どのように資料を作成すれば「伝わる資料」になるか解説します。
冒頭の【説明文B】では、次の5つを意識して記載しています。
- タイトルをつける
- PREP法で記載する
- 段落を分けて見やすくする
- 太字や色を変えて強調する
- 数値で示す
この5つを意識するだけでも「伝わる資料」になります。
タイトルをつける
タイトルを記載せずにいきなり本文から記載する人もたまにいますが、このパターンは稀です。
一般的には資料にはタイトルが記載されています。記載されてはいるのですが、「〇〇について」や「××の件」などとりあえずでつけたタイトルが多くみられます。
タイトルだけで、本文で何を伝えたいかを簡潔に伝えるようにしてください。
【説明文B】では、タイトルだけで筆者が言いたいことが伝わっているはずです。
PMBOKを勉強して、世界で活躍できるスキルを手に入れよう
PREP法で記載する
PREP法とは結論から先に伝え、理由、具体例を説明した後、再度結論でしめる記載法です。
- Point(主張/結論)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(主張/結論)
冒頭の【説明文B】はこのPREP法を持ちて記載しています。
PMBOK(ピンボック)とはマネジメントに関する一般知識を体系化した世界共通の教科書です。プロジェクトマネージャーやリーダーであれば身に着けておきたい知識です。
IT業界に限らず、建設業界や広告業界など様々な業界で通用する知識であり、多くのビジネスマンがPMBOKを勉強しています。
アメリカ発祥のPMBOKは2022年現在全世界196カ国で支持されています。PMBOKの知識が備わっていることを証明するPMPという資格は世界で110万人以上もの人が取得しています。
そのため、PMBOKを勉強することでグローバル化が進む世の中で生き残るための最強スキルが手に入ります。
段落を分けて見やすくする
人間の脳は文章を2段階で認識します。
「直感的(無意識的)」に情報を一次振り分けし、その後に「論理的(意識的)」に情報を判断・計算しようとします。
例えば「止まれ」の標識を見た際に、赤い標識で直感的に止まらないといけないということを理解して、その後に「止まれ」の標識ということを論理的に理解しています。
ダニエル・カーネマン著書の「ファスト&スロー」において、脳が情報を判断する際は「直感的」「論理的」の順に思考が動作すると提唱している。
つまり、文章を見た際に改行や段落分けを用いることで直感的に文章を認識しやすくすることが「伝わる資料」の作成には必要です。
※冒頭の【説明文A】は段落分けがなく読みにくい印象でしたが、【説明文B】では段落分けされていて直感的に文章を受け入れることができたはずです。
太字や色を変えて強調する
伝えたいワードの色や文字を変えることで、周りの文章と差別化でき読み手に印象を与えることができます。
自身が伝えたいワードや短文について強調するように意識してください。
冒頭の【説明文B】ではPMBOKの資格であるPMP保有者が110万人もいるということを太字+赤字+図を用いて全面に押し出しています。
アメリカ発祥のPMBOKは2022年現在全世界196カ国で支持されています。PMBOKの知識が備わっていることを証明するPMPという資格は世界で110万人以上もの人が取得しています。
数値で示す
物事を数値で表現することにより、読み手の解釈による認識のブレを除外します。
「全世界」→「全世界196カ国」
PMBOKという用語を初めて聞いた人は全世界と聞くと10や20カ国を思い浮かべるかもしれません、また国の数は毎年変わるので知識が古い状態かもしれません。196カ国と数値で表現することで全員で共通認識を持つことができます。
「多くの人」→「110万人」
全世界と同様で、読み手によっては多くの人=1万人かもしれませんし、10万人かもしれません。数値で表すことで「多くの人」というものが具体化されます。
まとめ
資料の先には必ず相手がいるということを忘れないでください。
伝わる資料を作成するためには「誰に何を伝えるか」「相手に何を理解して欲しいのか」「伝えた後相手にどうして欲しいのか」を明確にすることが重要です。
資料を作成する際、下記5つのポイントを意識することで各段に「伝わる資料」になります。
- タイトルをつける
- PREP法で記載する
- 段落を分けて見やすくする
- 太字や色を変えて強調する
- 数値で示す
プロジェクトマネージャーに求められるスキルは奥が深いです。
どのようなスキルを優先して伸ばしていくか戦略的に検討しましょう。
では今回はここまで。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。