知識エリア

【PMBOK】調達・マネジメント | 見積から契約後までを解説

PMBOKの「調達マネジメント」について”調達”という言葉はわかるけど、具体的に何をすれば良いかわかりづらいですよね。

そのため、当記事では「調達マネジメントとは」「調達計画の立て方」「調達先との契約」「調達先の作業状況確認」についてわかりやすく解説します。

本記事の執筆者
nob
nob
500万~30億円規模まで様々な案件のプロジェクトマネージャ/リーダを務めています。

PMBOKの勉強を進めていくと「10の知識エリア」が登場します。この「10の知識エリア」のうち「調達マネジメント」は外部業者からサービスや製品を調達するために必要な領域です。

この記事を読めば調達マネジメントとしてどのように外部業者から見積を入手し、契約するのか、また契約後に何をすれば良いのかが分かるようになりますので、ぜひ最後までお付き合いください。

調達マネジメントとは

はじめに

PMBOK Guideは大きく「フェーズ」「5つのプロセス群」「10の知識エリア」で構成されています。

「調達マネジメント」とは「10の知識エリア」の1つであり、外部業者からサービスや製品を調達する場合に関する領域です。

若手管理職にこそPMBOK!10の知識エリアを押さえてベテランの仲間入り初めてPMBOK(ピンボック)という言葉を聞いた方や、勉強してみたけど難しくてよくわからないという方に向けて、PMBOKの全体像をイメージしやすいようにわかりやすく解説しています。...

調達マネジメント

プロジェクトの成果を出すために、外部業者からサービスや製品を調達するための管理手法を調達マネジメントと言います。

また、PMBOK Guideにおける調達マネジメントは次のように定義されています。

プロダクト、サービス、所産をプロジェクト・チームの外部から購入または取得するプロセスからなる

引用:PMBOK Guide

PMBOK Guideにおける外部業者の呼び方は「コントラクター」「ベンダー」「サービスプロバイダー」「サプライヤー」のようにさまざまです。

調達マネジメントのプロセス

「調達マネジメント」と「5つのプロセス群」との関係性について解説します。

5つのプロセス群との対応

調達マネジメントは「5つのプロセス群」のうち「計画プロセス群」「実行プロセス群」と「監視コントロールプロセス群」に関係があります。

調達マネジメントと各種プロセス群に含まれるプロセスの関係は下表の通りです。

プロセス群 プロセス
計画プロセス群 ①調達マネジメントの計画プロセス
実行プロセス群 ②調達の実行プロセス
監視コントロールプロセス群 ③調達のコントロールプロセス

3つのプロセス

各種プロセスの役割について説明します。

①調達マネジメントの計画プロセス

外部業者に依頼をしたい作業内容と納期をもとに、外部業者への依頼が妥当か、内部で作業を行う方が効率的かを分析し、外部業者との取引要否を決定する。

②調達の実行プロセス

外部業者から見積書や提案を得るために、入札書やRFP(提案依頼書)を配布し、得られた提案から外部業者を選定する。

③調達のコントロールプロセス

外部業者の実績が契約書通りかをチェックする。

また、外部業者が生成した成果物が要求通りであるか確認し、契約を終了させる。

調達計画を立てる

スコープマネジメントによりプロジェクトの作業や成果物を定義したら、各作業を自分たちで内製するのか、それとも外部業者へ委託するのかを検討します。

作業を外部へ委託すると決めたら、調達意思を示した入札文書を、調達の進め方を定義する調達マネジメント計画書を作成しましょう。

調達マネジメントにおいては、下表の通り入札文書や調達マネジメント計画書以外にも様々な書類を作成します。

調達マネジメント計画書 入札文書を配布してから契約を締結するまでの実行方法や、外部業者の状況確認方法などを記した計画書
調達戦略 外部業者から提供される成果物、契約内容、調達の進め方を定義した書類
入札文書 外部業者からの見積書を得るために作成する書類
調達作業範囲記述書 外部業者の作業範囲を示した書類
発注先選定基準 外部業者の評価基準を定めた書類(過去の実績、財務体制など)
独自コスト見積り 外部業者から提示される見積書の妥当性を確認するための書類
内外製決定 内製と外製の効率性を分析した結果を示した書類

これらの文書はPMP試験での頻出問題のためしっかりと覚えておきましょう。

外部業者と契約する

見積入手

作業を外部に委託するために入札文書を作成しました。

入札文書をもとに、公告・入札説明会を開催し外部業者から見積を入手します。

契約を結ぶ

外部業者から提出された見積書を評価し、契約前の交渉を経て特定の外部業者と契約を締結します。

入札文書の種類としてRFP(Request For Proposal:提案依頼書)がある。

作業状況を確認する

外部業者を調達した後は、外部業者が契約通りに作業を進めているか、外部業者が生成した成果物が要求通りであるかを定期的にチェックします。

また、外部業者との意見の食い違いについても適宜対処していきます。

調達の状況を確認する技法として「クレーム管理」「パフォーマンスレビューと検査」「監査」の3つがあります。

クレーム管理

試験中に抽出した事象が不具合か仕様変更かといった議論が生じる場合があります。

これらの議論は原則として当事者間で解決することになります。

パフォーマンスレビューと検査

パフォーマンスレビューとしてコストや作業進捗を確認します。

また、検査として外部業者のプロセスを確認します。

監査

調達マネジメントにおける監査として、外部業者の選定から契約締結までのやり方について、自社組織の第三者に確認してもらいます。

まとめ

今回は、「10の知識エリア」の一つである調達マネジメントについて解説しました。

おさらい

◆調達マネジメントとは「10の知識エリア」の1つであり、外部業者からサービスや製品を調達する場合に関する領域である。

◆調達マネジメントに関するプロセスは3つある。

◆調達に関する書類は「調達マネジメント計画書」「調達戦略」「入札文書」「調達作業範囲記述書」「発注先選定基準」「独自コスト見積り」「内外製決定」がある。

◆RPFなどの入札文書を用いて外部業者から見積を入手し、評価基準を満たした特定の外部業者と契約を結ぶ。

◆外部業者の作業を定期的に監視する。

nob
nob
外部業者を調達した後は、外部業者に任せっきりにせず一緒に成果物を作り上げるという意識を持ちましょう。

では、今回はここまで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

【耳で読書?】audiobookで目の疲れ軽減、時間効率化、まさに革命!日々の資料作成やプログラミングで多忙なビジネスパーソン。 ただでさえ目を酷使している中、帰宅後に本を読んだりネットで調べ事をしている人...