PM(プロジェクトマネージャー)と聞くと、プロジェクトの管理が一番最初に思い浮かぶはずです。
しかし、PMの役割はそれだけではありません。
PMは管理だけでなく顧客窓口やパートナーとの契約、社内への報告など複数の役割があります。
そこで本記事ではPMに求められる4つの役割について解説します。
PMに求められる4つの役割
PMには次の4つの役割があります。
- 管理者:プロジェクト内部に向けた役割
- 受注者:顧客に対する役割
- 発注者:パートナーに対する役割
- 責任者:社内に向けた役割
それぞれについて解説していきます。
1つ目の役割:管理者
PMといわれると真っ先に思い浮かぶのが管理者としての役割です。
プロジェクト内部に向けた役割であり、スケジュール管理 / コミュニケーション管理 / 進捗管理 / 品質管理 / リスク管理 / 課題管理など様々な管理業務を行っています。
もちろん、日々の業務の大半は管理業務のため、看板となる役割です。
管理者の役割をおろそかにしてはいけないということは言うまでもありませんが、その他の役割も大事にする必要があります。
2つ目の役割:受注者
顧客(発注者)からするとあなたは受注者という立場になります。
要件定義から始まり営業とともに見積りを行った内容を顧客へ説明し、予算がかみ合わなかったり前提条件の齟齬などが発生すれば双方が納得するまで議論を続けます。
苦労が報われ無事に受注できてプロジェクトが開始された後はキックオフによるプロジェクト計画の説明、週次または月次での進捗報告を行っていきます。
問題が発生した際には顧客への報告、内容によっては変更管理として都度協議するなど信頼を損なわないように振る舞い続けることが求められます。
プロジェクト実行中は営業よりもPMの方が顧客から見た受注者としての顔となるのです。
3つ目の役割:発注者
パートナー(協力会社)から見るとPMは発注者になります。
プロジェクトメンバーの大半は直営社員だけでなくパートナーで構成されているのではないでしょうか。大きなプロジェクトになればなるほど複数のパートナーと一緒に仕事をすることになります。
その際に、パートナーから見たPMは発注者になります。
同じプロジェクトルームにいるメンバーとだけではなく、パートナー側の管理者に対して人材確保の依頼や単価交渉を行います。
また、定期的に報告を求めたり、体制変更の要望を出すこともあります。
フェーズ毎の体制も予め計画しておき、どのタイミングで人を増やす/減らす予定であるかをパートナー側にも予め伝えておく必要があります(離任させるときは1か月前には通知する義務がある)。
4つ目の役割:責任者
社内組織から見るとPMはプロジェクトの責任者です。
- 現在、順調に進捗しているのか、遅れが発生しているのか。
- 問題は発生していないか、顧客との関係はどうなのか。
- 収益は確保できそうなのか。
を適切に報告する義務があります。
問題が発生した際も、自分の手に負えなくなる前にタイミングを見極め上司へ報告し協力を要請することも必要です。
どの役割が一番重要なの?
これまでPMには4つの役割があると解説してきましたが
「どの役割が一番大切で、役割毎の割合はどう考えれば良いのか?」
という疑問がでてくると思います。
どの役割が一番大切かと問われるとすべての役割が大切ですと答えるしかありません。どれか一つを怠ると必ず問題が発生します。
役割毎の割合としては管理者:60%、受注者20%、発注者10%、責任者10%が妥当だと考えます。
うまくバランスを取りながら4つの役割を果たしてください。
まとめ
PMに求められる4つの役割を解説しました。
関係者からはそれぞれPMの持つ役割の1,2面しか見えません。
複数の役割をもつPMはその役割の割合を適切にコントロールしていかなければなりません。
◆1つ目の役割:管理者
- プロジェクト内部から見える看板となる役割
◆2つ目の役割:受注者
- 顧客から見える受注者としての役割
◆3つ目の役割:発注者
- パートナーから見える発注者としての役割
◆4つ目の役割:責任者
- 社内から見える責任者としての役割
では、今回はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。